パリでの図書館登録ーフランス国立図書館(フランソワ・ミッテラン)

Bn (ベー・エヌ) あるいは BnF (ベー・エヌ・エフ) とよく呼ばれる、トルビアックに位置するドミニク・ペロー設計の無機質でクールな図書館は、パリで人文・社会系の研究を行うなら必ずお世話になる図書館だと思います。
研究者用のフロアにたどり着くまでの入り口からの道のりは、財宝が眠る秘密の地下ダンジョンのようです。スケールの大きな現代建築なので、図書館自体が歴史的建造物であるその他のパリの図書館に比べ、冷たく威圧的な感じがするのは否めないですが、ここに行けば何でも揃うし、閉架式ながら予約しておけば到着と同時に本が読めるという便利なシステムも見逃せません。
この図書館についての2009年12月現在の情報をまとめます。

1.登録手続き登録手続きは、やや面倒です。
図書館は一般用・研究者用の2フロア(Haut-de-Jardin, Rez-de-Jardin) に別れています。
Haut-de-Jardin は一般向けで、16歳以上であれば誰でも登録手続きが行えます。年間利用料が35ユーロ(学生など割引は18ユーロ)です。

研究でパリに滞在する人(修士課程以上)は、
研究者向けのRez-de-Jardin の利用手続きを取ることになります。研究者・学生に関係なく、全ての人に必要なのは、パスポートなどの身分証明と、住居証明です。これらの書類は、銀行口座や大学登録等の時にすでに必要なはずなので、簡単に揃うでしょう。その他に、研究者の方は、大学や研究機関に所属していることを示す書類が必要で、学生は、学生証と指導教官の推薦書(というよりは証明書)が必要になります。その証明書の書式フォーマットは、
http://www.bnf.fr/pages/zNavigat/frame/accedocu.htm?ancre=inscription.htm
からダウンロードできます。ここには、その他登録に関する情報が全て記載されています。

これらの書類が揃ったら、
pré-accréditation (仮認証?) が必要になります。つまりは、図書館を利用することを認めるかどうか、
まずは審査するということらしいです。
http://www.bnf.fr/pages/zNavigat/frame/accedocu.htm?ancre=inscription.htmのページにある Formulaire de pré-accréditation をクリックすると、自分の情報を入力する画面になります。
名前や住所、メールアドレス、研究分野などを入力して送信すると、図書館の受付担当に情報が送られる仕組みです。この pré-accréditation は身分によって免除される場合があります。
例えば、高等教育機関の教官、CNRSの研究者、グラン・ゼコールの学生などなど…
詳しくは、
http://www.bnf.fr/pages/zNavigat/frame/accedocu.htm?ancre=inscription.htm
を参照して下さい。
そして、この情報を送信すると、受け付けましたというメールが先ほど登録したメールアドレスに届きます。10日以内に審査結果が返ってくるとのことですが、僕は次の日に、pré-accréditation できたので、本登録をするように、国立図書館リシュリュー通りの旧国立図書館でもトルビアックでも良い)の登録係まで出向くようにという返事がありました。僕は当時主要に使っていた図書館が、旧国立図書館内のINHA付属図書館だったので、旧国立図書館へ出向きました。いろいろな人の話によると、トルビアックの登録係は混んでることがあるので、登録手続きは、旧国立図書館で行った方がいいかもしれないとの事でした。
そこで、必要書類を提出して、写真を撮られて、登録料を払って(年間で53ユーロ、学生など割引料金は27ユーロ)、10分ほどで念願の利用カードを手に入れました。

2.(Rez-de-Jardin)を実際に使ってみる
国立図書館は全席予約制で、ホームページから予約できます。
http://www.bnf.fr/default.htm
の、"Réserver une place"から行えます。また席の予約と共に、5冊まで本を予約できます。予約画面のホームページは、一ヶ月の予定表になっていて、いつどこの席を予約しているかがすぐわかります。

内部は、いくつかの部屋に別れていて、
K: Philosophy, religion
L: History
M: Ethnology, sociology, geography
N: Economics, Political science, press
O: Law, Official publications collection
P: Audiovisual
R: History of science, fundamental science
S: Biology, engineering science
T: Reference documentation on books, press and reading
U: Foreign litertures
V: French literture
W: Oriental literature and art
X: Reference room

です。
MとUが4つの塔に囲まれた中心部で、O, P, Rが東の端、K, W, Xが西の端です。アクセスは、東西の端部からなので、人文系は西からアクセスした方が早く目的の部屋にたどり着けます。図書館自体が駅名なので、Bibliothèque François-Mitterand駅を最寄り駅だと考えがちですが、図書館自体が巨大なので、図書館の西端の最寄り駅は、メトロ6番線Quai de la gare駅です。まあこの辺はそんな大した差はないですが…冬場の外での移動距離を短くしたい方は、そこそこの違いを感じられると思います。なんせこのあたりは風が強いので、冬場の寒さは結構こたえます。
あと、図書館の入り口で荷物チェックがあり、クロークもあります。基本的にカバンはクロークに預けないといけません。(小さいポーチなどは持ち込み可)カバンを預けると透明のケースを貸してくれるので、そこに持ってきた荷物などは突っ込みます。ノートPCとACアダプター、筆記用具、メモ用紙、弁当箱ぐらいなら入るぐらいのそこそこの大きさのケースです。

3.その他の情報僕もまだまだつかみ切れていないのが正直なところですが…いろいろ思いついたことを。
・予約時刻の前後1時間まで予約が有効で、1時間を過ぎると予約を取り消される。
・予約席の種類も様々。半日専用席 Demi-journée (9h-14hまたは14h-20h)やHémicycleなど。
・最大2時間、手続きを取ると館外に一時的に出ることができる。
・研究者用フロアに軽食を出すカフェテリアと、飲み物とお菓子の自動販売機が置いてある、食べ物を持ち込める休憩スペースあり。