パリでの図書館登録ーソルボンヌ図書館ー

研究を進めていく中で重要なのが図書館です。
フランスの図書館は日本の図書館と利用方法が異なるので、最初は戸惑いました。また、図書館ごとにも違いが結構あります。少しずつ、システムがわかってきたので、まずはソルボンヌ図書館についてご紹介したいと思います。
ここでの情報も、2009年10月現在ですので、最新情報は、ホームページで確認してください。また、僕もまだ使い始めで、すべては把握し切れていません。今後いろいろなことがわかれば、アップしていきたいと思っています。
ソルボンヌ図書館は人文科学系の図書館です。ホームページにいけば、図書館の位置づけ、利用方法などがわかるようになっています。
(参考:http://www.bibliotheque.sorbonne.fr/biu/)

登録方法
郵送と、事務所での受付の2通りです。
郵送の場合
必要書類
・(初回登録の場合は) 証明写真1枚、(更新の場合は)図書館カードのコピー
・学生証の裏表コピー(課程・学年がわかるもの)あるいは、在学証明書、
 または研究者であることを証明する書類
・パスポートのコピー
・住居証明、これが結構ややこしそう。
(3ヶ月以上の家賃の領収書、電話代の領収書などなど)
・切手を貼った返送用の封筒
・送り先住所は、Bibliothèque de la Sorbonne Service Accueil et Orientation, 13, rue de la Sorbonne 75257 PARIS Cedex 05
・あるいは、ソルボンヌ校舎内D階段の1er étageにあるボックスに入れるか、図書館入り口の受付の方に渡してもよい。一週間ほどで返送されてくるそうです。
事務所での登録の場合
僕は、事務所で登録手続きを行いました。待ち時間20分、
手続きにかかった時間が5分ぐらいでした。
・事務所の場所は 17, Rue da la Sorbonneの入り口から入って、中庭 (cour d’honneur) に面した、チャペルの脇の入り口(D階段)の 1er 〓tage または 3〓me 〓tageです。教授・研究者、博士課程の学生、EPHE、EHESSの学生などは、3ème étageでの手続きです。
・必要書類は上記の郵送の場合と同じですがコピーを持って行く必要はありません。オリジナルを見せるだけです。
・登録受付時間は、月・火・水・金:10時から16時まで。木:11時から16時まで。土:10時から12時まで。
登録が済んだら
さっそく図書館に乗り込みましょう。ソルボンヌ内B階段、1er étageです。17, Rue da la Sorbonne の入り口から入って、中庭 (cour d’honneur) を突っ切って、真正面のドアを開けたその目の前の階段がB階段です。階段をのぼった先の図書館の入り口はメトロの改札のような仕組みです。図書館カードに印刷されているバーコードを機械に読み取らせると、通れるようになっています。
開館時間は、月・火・水・金:9時から19時まで。木:11時から19時まで。土:9時から18時まで。
内部構成
中は一般閲覧室 (salle de lecture) と、雑誌閲覧室 (Salle des périodiques) に分かれています。図書館入り口入ってすぐが一般閲覧室です(ホームページのトップページ写真がそうです)。席は空いているところどこに座ってもかまいません。閲覧室には電源があり、コンピューター持ち込み可です。
ただ、席数に比べ、コンセント数が圧倒的に少ないので、混雑具合によっては、行ったときにはすでにコンセントがすべて埋まっている可能性も大いにあります。また、図書館自体はwifi設備などはないのですが、ソルボンヌの校舎内は、大学独自のwifiネットワークがあるので、大学関係者はネットが使えます。僕も申請すれば使えるようになるそうですが、まだ申請していません。
資料の借り方
一番注意するべきポイントは、「貸し出し」と「持ち出し」が区別されていることと、持ち出す場合は特別な手続きが必要だということです。
また、ソルボンヌ図書館は閉架式の図書館なので、閲覧室内にある辞書類などの閲覧専用の書籍以外は、リクエストして司書さん持ってきてもらわなければなりません。博士課程の学生は1ヶ月の期間で6冊借り出す(図書館外へ持ち出すことも可能)ことができます。ただ、すべての本が持ち出しOKではありません。館内のみでの閲覧を許している書籍があります。そのあたりのことは、図書館ホームページからリンクされている蔵書検索サービス、catalogue de la bibliothèque da la Sorbonneでの検索結果からわかります。
(参照:http://catalogue.bibliotheque.sorbonne.fr/)
具体的なこと
検索サービスの結果に表示される、Cote、Modalité de communication、Disponibilité、Prêt、Notesという欄が重要です。
例えば、蔵書されている、Jean-Pierre Babelon et André Chastel, La notion de patrimoine, L. Levi, Paris, 1994.という本を借りるとしましょう。2009年10月19日現在、上記の欄がそれぞれ、SAD 6= 351、Guichet B、RETOUR 27-10-09、Prêt tous usagers 、PEB autoriseとなっています。この情報をもとに、図書館内の検索システムコンピューターのところに置いてある、リクエストカードに必要事項を記入します。著者、タイトルはそのまま記入し、coteの欄に、SAD 6=351と記入します。そして、このリクエストカードをGuichet Bに持って行きます。本によってはGuichet Aでリクエストする場合もあります。この本は、2009年10月27日まで貸し出し中なので、今は借りることはできません。この欄が、disponibieとなっていれば、本があるということなので、Guichetに行って、リクエストカードを手渡します。すると20分後に受け取りに来いといわれます。受け取りに行ったとき、La notion de patrimoineという本を受け取りに来ました。と言うのではなく、SAD 6= 351という本を受け取りに来たといったほうがよいです。僕は司書の方にcoteのナンバーで言ってくれた方がわかりやすいから、そうしてくれといわれました。その時に、図書館カードを差し出すと、バーコードをぴぴっと読み取り、貸し出し完了です。
この段階では、その本は当日限り貸し出し有効で、館外持ち出しはできません。というか、館外に持ち出すことはおそらく可能ですが、当日中にちゃんと返さなければならないわけです。ただしこの本の場合、Prêtの欄が、Prêt tous usagersなので、どなたも持って帰ることができます。その時に注意しなくてはならないのは、館外へ持ち出す場合は、Service du Prêt(Prêt entre Bibliothèques)の事務室(図書館内)に行って、館外持ち出しのための手続きをとらなくてはならないことです。それは、単にService du Prêtのところにいる受付の方に、この本を持って帰りたいと伝えるだけです。すると、図書館カードのバーコードをピッとしながら、ささっと簡単に手続きしてくれます。
Prêtの欄はその他に、Prêt professeurs、Exclu du prêtなどと記入されていることがあります。つまり本によっては教授は持ち出し可能であったり、すべての人が持ち出し不可であったりするわけです。